2010年09月10日 金曜日
朝一番中古住宅価格が高騰
中古住宅の取引価格が高騰している。株安で行き場を失った資金が不動産市場に流入、価格を押し上げる構図になっている。公証人統計によると、パリ市内の中古住宅取引価格は3月から6月にかけて、平均で1平方メートル当たり6680ユーロを記録。前の期比で3.1%、前年同期比で9.8%上昇した。2008年の7月から9月にかけて記録した6640ユーロの過去最高記録を更新した。市内物件の買い手は34%が地方在住者、6.3%が外国人で、取引件数も8180件と前の期比で1.6%増えている。市内で最も価格が高いのはサンジェルマンデプレ界隈で1万2440ユーロに上る。パリ首都圏でも、パリに近接した市町村では、アパートが2.5%上昇の3860ユーロ(1平方メートル当たり)、一戸建てが11%上昇の33万9000ユーロを記録。パリ市内の地価高騰が近接地区にも波及していることを窺わせる。それ以外の地区では前の期比で1.5%上昇の2900ユーロと比較的に低めだが、地域によりばらつきが大きい。最も高いのはサンジェルマンアンレーで5100ユーロ(前年同期比7.3%上昇)、ベルサイユを抜いてトップに立った。ちなみに、過去15年間でみると、不動産価格は2.5倍に上昇、この間の家計所得の1.6倍上昇に比べて、はるかに高い勢いで上昇している。公証人組合は、年内に価格上昇は続くが、そろそろ天井を迎えるのではないかと指摘している。
日刊メディアダイジェスト政府、年金改革譲歩案を公表:労組は抗議行動継続を決定
政府は8日、年金改革に関する譲歩案を公表した。前日に行われた年金改革反対デモが大規模に発展したことを受け、就労条件が厳しい人向けの特例措置などで譲歩した。労組側は政府の発表を不十分と批判、同日午後に開いた会合で23日(木)に再度ストを含む抗議行動を実施する方針を決めた。政府の譲歩案は、サルコジ大統領の裁定を経て、同日の閣議で了承された。年金受給開始の最低年齢を60歳から62歳に引き上げる(同時に、雇用主が強制的に退職をさせることが可能な最低年齢も65歳から67歳に引き上げられる)という基本方針では譲らない考えを確認した上で、一連の譲歩を提示。目玉は就労条件が厳しい人向けの特例措置で、当初案では、職業が原因の病気等による廃失率が20%の人(年間1万人)のみが年限よりも早く退職できる旨を定めていたが、この対象者を廃失率10%-20%へと条件を緩和する方針が示された(ただし、同率が10%-20%人については審査の上ケースバイケースで是非を決定)。一連の譲歩による費用負担は年間6億ユーロ程度に上るが、その内容からして、費用の半分以上は労災保険が負担する格好になる。経営者団体はこの点について、最終的には雇用主負担の社会保険料で賄われることになるとして、政府の譲歩案を批判した。(KSM「日刊メディアダイジェスト」9月9日号より転載)
2010年09月09日 木曜日
朝一番カンヌでプレジャーボート見本市、危機脱出探る
南仏カンヌ市で9日、プレジャーボート・フェスティバルが開幕する。今年は33回目を迎え、フランス、イタリア、米国、英国、トルコなどから400社が出展。500隻がマリーナに集まり、139の新作が展示される。ラロシェル、ジェノバ、パリで開かれる同分野の見本市の先陣を切って開かれるこの催しは、新シーズンの傾向を窺う最初の機会となる。フランスのプレジャーボート業界は経済危機の直撃を受け極めて厳しい状況に陥った。業界売上高は2年間で20%減少、業界の規模は40億ユーロ(4万500雇用)まで縮小した。それでも、業界団体FINのフォンテーヌ会長(フォンテーヌ・パジョー社社長)は「健全な基盤に立って回復を狙えるところまで来た」と説明。生産能力の調整が進み、在庫水準もメーカー、サプライヤーとも極めて低いところまで下がったため、受注回復が生産増に直結するとの見方を示している。需要状況を見ると、アジア・太平洋地域では回復が見られるが、米国と地中海沿岸諸国(特にイタリア)では回復が遅れている。地中海ではトルコは例外的に好調という。
日刊メディアダイジェスト長保ち包丁を開発したタルリアス・ボンジャン
仏中小企業のタルリアス・ボンジャン社は、長保ちする包丁「エバーカット(Evercut)」の開発に成功、2月に開かれたドイツのキッチン用品見本市「フランクフルト・サロン」で「キッチン用品イノベーション」賞を受賞した。試験所にて行った紙やすりを切断するテストで、この製品は、通常のスチール製の包丁に比べて300倍の耐久性を発揮、より硬いセラミック製の包丁と比べても高い耐久性を示している。同社は6年前に、中国製の安価な製品への長期的な対抗策として新製品の開発に着手。「よく切れて長持ちする」という基本に戻り、優れた製品をイノベーションを通じて実現することを目指した。同社はこの取り組みの中で、硬いが脆いセラミックではなく、スチールで高品質の製品を開発することを決め、年商の5%を研究開発に投資する努力を続け、最終的に2件の製法特許を取得、新製品の開発に成功した。「エバーカット」の秘密は、チタン炭化物のコーティングにある。レーザー光を利用してピンポイントで4000度の高温を実現し、チタン炭化物をコーティング、切れ味と耐久性を高める。製造工程は刃の加工から最終的な組み立てまですべて自動化した。「エバーカット」の価格は150ユーロで、切れ味が悪くなったら研ぎ直して新品同様にすることを約束、「一生もの」の製品であることをアピールしている。厚いチタン炭化物のコーティングがあるため、何度でも研ぎ直す余地があるという。(KSM「日刊メディアダイジェスト」9月8日号より転載)
2010年09月08日 水曜日
朝一番年金改革反対デモ、大規模に
年金改革に反対し、全労組が共同で呼びかけた抗議行動が7日に行われた。全国のデモには警察発表で112万人、労組発表で273万人が参加。1995年12月と2003年5月の抗議行動に匹敵する大規模なデモに発展した。同日のストには国家公務員部門で26.8%が参加、こちらも前回6月24日のストに比べ参加率が上昇した。主要労組CGTのチボー書記長は「政府は国民の怒りを無視できない」とコメント、同じく主要労組CFDTのシェレック書記長は、前提条件なしで議論に応じるよう政府に迫った。野党の社会党は7日に下院で開かれた年金改革法案の審議の際、抗議行動が大規模となったことを材料に政府に改革案の修正を要求した。大統領府周辺はこれについて、年金支給開始の最低年齢の引き上げ(60歳から62歳に)については年金制度を将来的に維持するために不可欠として譲らない姿勢を確認、その一方でフィヨン首相は一定のポイントについては開かれた姿勢で臨む考えを表明した。サルコジ大統領は8日朝に関係閣僚らを集めて年金改革案に関する裁定を下し、同日の閣議に提出する方針を明らかにした。労組側はきょう午後にも会合を開き次回の抗議行動の日程などについて協議、今月18日にも再度デモとストが行われる可能性がある。
日刊メディアダイジェストプジョー、電気自動車のリースを開始
仏プジョーは6日、電気自動車「iOn(イオン)」を発表した。フランスでは長期リース方式をとり、顧客はます5000ユーロを支払った後に期間5年、ないしは走行距離5万kmをベースに月々499ユーロでリースする。5000ユーロは電気自動車購入に対する仏政府の補助金と同額。今月から受付を開始し、12月に納車。リース契約には修理、メンテナンス、リチウムイオン電池の保証など全てが含まれ、2015年までに5万台の契約獲得を目標とする。プジョーは「イオン」の販売を希望していないが、販売価格は約3万5000ユーロであることも明らかにした。これは政府の補助金も含め、リース価格の合計に相当する。「イオン」は三菱自動車の「i-MiEV(アイ・ミーブ)」をベースに三菱が日本で生産する。条件が良い場合には充電後150キロの走行が可能。(KSM「日刊メディアダイジェスト」9月7日号より転載)
2010年09月07日 火曜日
朝一番大統領、外国系フランス人の国籍剥奪で裁定
サルコジ大統領は6日、関係閣僚を集めて会合を開き、犯罪者への処罰強化に関する一連の措置を決めた。大統領は7月末に治安強化策を発表、流浪民の摘発強化などに着手し、物議を醸していた。6日には外国系フランス人の国籍剥奪という懸案について、公的権力を行使する権限がある者(主に警官・憲兵)の命を狙う犯罪を犯した者に限り、帰化したフランス人の国籍を剥奪できるという措置とする旨が大統領の裁定により決まった。オルトフー内相は、事実上の重婚と社会保障会計を狙った詐欺も国籍剥奪を可能にする条件に含めるよう求めていたが、これは最終的に採用されなかった。改正は27日から国会審議が始まる移民法に修正動議として追加されるが、識者らは、出自を問わずに国民を平等に扱う原則を定めた憲法第1条に抵触すると指摘しており、制度改正は失敗する可能性もある。
日刊メディアダイジェスト民間企業、パラシュート部隊訓練向けサービスを国に提案
ルフィガロ紙の報道によると、民間企業のビトリューブD&S社が国防省に対し、パラシュート部隊訓練校向けのサービス契約を提案しており、国防省は官民協力のPPP契約の形で業務委託の是非を検討しているという。報道によると同社は、ポー市にある航空部隊学院(3軍のパラシュート部隊を養成)向けに練習機の就航サービス提供を提案。契約が得られればエアバスの軍用機CASA CN235を2機購入し、年間4万2000回のパラシュート降下訓練を1回当たり150ユーロの費用(現在は194ユーロ)で請け負う予定。同社は、航空機を随時利用可能な状態に整えることを約束、現在よりもサービスが改善と強調している。また学院のインフラ近代化や、外国のパラシュート部隊の訓練も引き受けることでスケールメリットを活かしたコストダウンを図ることも約束しており、既にベルギー、ルクセンブルク、ハンガリー、バルト諸国の軍が関心を示しているという。(KSM「日刊メディアダイジェスト」9月6日号より転載)
2010年09月06日 月曜日
朝一番政府、高額所得者への課税強化を検討か
サルコジ大統領の側近2人は5日までに、高額所得者への課税強化の可能性について相次いで言及した。明日7日の年金改革反対デモを前に、保守与党内にも要求がある高額所得者への負担増に一部応じる姿勢を示しつつ、与党の結束を固める狙いがあるものと思われる。問題になっているのは、「タックスシールド」と呼ばれる納税額の上限制度で、減税を選挙公約に掲げて当選したサルコジ大統領は、年間所得に対する納税額の上限を50%に引き下げると共に、上限制度の対象となる租税の種類も増やすことで、高額所得者に対する減税(同制度は1万6000人が利用、年間規模は6億ユーロ)を実施していた。ただ、財政健全化の議論の中、同制度を見直すよう求める意見が与党内からも上がっており、そうした与党内の不協和音を緩和するのが一連の発言の目的と見られる。5日には大統領府のゲアン長官が、中小企業への投資に係るISF(連帯富裕税)の控除制度の成功を挙げつつ、タックスシールドについてもそれに倣った修正が検討中であると説明。大統領特別顧問のゲノ氏も同日、タックスシールドの適用を受ける条件として中小企業への一定の投資を求める可能性に言及した。
日刊メディアダイジェストラデファンス地区の高層ビル、中国企業が建設契約の一部を獲得
パリ副都心ラデファンス地区に建設中の高層ビル「カルペ・ディエム」で、建設工事の一部を中国のYuanda社が獲得したことが2日までに明らかになった。この分野での中国企業の進出はほとんど前例がなく、仏建設業界は強い警戒感を表明している。「カルペ・ディエム」は英保険会社のアビバと仏保険会社のプレディカが共同で開発する38階建て(162メートル)のオフィスビルで、2012年末の完成が予定されている。Yuanda社が獲得したのは、ビルの外壁を取り付ける金属製の枠の製造及び据付で、1800万ユーロ未満で受注に成功したとされる。入札を争った仏リベロ社(年商3億2000万ユーロ、従業員数2000人)は2400万ユーロを提示したが、中国企業が安値で契約を獲得したことで、ダンピングの疑いがあるなどと主張。建設業界団体のFFB(仏建設連合会)もラガルド経済相に抗議の書簡を送ったことを明らかにした。(KSM「日刊メディアダイジェスト」9月6日号より転載)
2010年09月03日 金曜日
朝一番労相、勲章授与での介入認める
ブルト労相は2日、ドメストル氏へのレジオンドヌール勲章授与で介入した事実を初めて認めた。大統領選挙直前の2007年3月、サルコジ大統領(当時は内相)への書簡で勲章授与を求めた事実を認め、「一介の下院議員として、こうした手紙はいくらでも送るもので、ありふれたこと」と正当化した。今回初めて、ドメストル氏に便宜を図った事実を認めざるを得なくなったことで、労相の立場はこれまでになく弱体化した。野党の社会党からは辞任要求も出され、これまで労相批判を避けてきた主要労組のCGT及びCFDTの書記長らも、レゼコー紙とのインタビューの中で「労相を年金改革の交渉相手とするのは困難が伴う」と述べて、暗に辞任への圧力をかけた。勲章を授与されたドメストル氏は資産家ベタンクールさんの資産管理会社の社長で、この会社にはブルト労相の夫人が勤務していた。ブルト労相の書簡は、ベタンクールさんを巡る一連の事件に関して警察が行った捜索で押収されたものと見られ、数日前に週刊紙レクスプレスなどが内容を報道したことで明らかになった。労相はこの中で、ドメストル氏が保守与党UMPの重要な献金者であることを指摘、授与に応じるよう要請していた。ブルト労相は当時UMPの財務担当を務めており、ベタンクール事件においては、ドメストル氏を通じてベタンクールさんから資金や利益の供応を受けていた疑惑などが取り沙汰されている。今回の動きについてUMPの側では「年金改革潰しを図る勢力が仕掛けた陰謀説を持ち出した」として労相を擁護しているが、党内にも動揺が広がっているという。
日刊メディアダイジェスト政府、「超高級」ホテルの認定制度を導入へ
ベリ観光閣外相は1日、「パラス」と呼ばれる超高級ホテルのラベル認定制度を導入する方針を明らかにした。9月中旬に提出される報告書を踏まえ、観光振興機関の「アトゥ・フランス」が詳しい基準を策定し、10月15日にも基準に合致した「パラス」のリストを公表する予定。報告書は、パリ市内の超高級ホテルであるプラザ・アテネとムーリスを経営するフランソワ・ドラエー氏と、フーケッツの総支配人に近く就任するピエール・フェルショー氏がまとめた。フランスはこれまで、ホテル等級制度として1つ星から4つ星までの4段階制度(星なしを入れれば5段階)を採用していたが、諸外国で一般的な「5つ星」がないのは富裕層の外国人顧客の取り込みに不利という理由から、1年ほど前に「5つ星」を導入。現在では全国で100軒余りが5つ星の認定を受けている。「パラス」のラベル認定は、5つ星のさらに上をゆく格式の高い超高級ホテルに対して公式の認知を与えることにより、やはり富裕層の観光客誘致につなげる狙いが込められている。観光閣外相は、今年の夏の観光シーズンには4つ星及び5つ星で利用客数が16.7%増を記録したが、逆に星なし及び1つ星では微減となった点を挙げて、高級ホテルが観光誘致の推進力になるとの考えを示した。(KSM「日刊メディアダイジェスト」9月2日号より転載)
2010年09月02日 木曜日
朝一番流通ブランド集客力ランキング:冷凍食品のピカールが首位に
調査会社のOC&Cはこのほど、仏で事業を展開する流通ブランドの集客力ランキングを発表、「買い物の楽しさ」を演出できるブランドが上位を占めた。調査は消費者2500人を対象に、50のブランドについて行われた。実際に利用したことがある消費者に、価格、コストパフォーマンス、品揃え、快適さ、サービス、品質などを基準に評価してもらい、その結果を集計した。これによると、首位はピカール(冷凍食品)で総合点は81(100点満点)、実用性と店舗設計の利用のしやすさ、豊富で魅力的な品揃えが人気の決め手となった。以下2位はイケア(77.5点)、3位は化粧品・香水販売のセフォーラとスポーツ用品販売のデカトロン(共に76.5点)で、これら各社はいずれも、低価格のPB商品、シンプルで特色のあるコンセプト、消費者の信頼感の高さという共通点があり、首位のピカールを含め、「買い物の楽しさ」を演出するのに長けている点が支持を受けている。その一方で、やはり同点で3位にはアマゾンが入っており、消費行為にネットショップが浸透していることを改めて窺わせた。反面、流通ブランドでは安値が評価されたルクレールが6位に入った以外は振るわず、ブランドイメージの点で改善の余地が大きいことを印象付けた。
日刊メディアダイジェストフランスの国産品、過去10年で後退
産業省下に設置された「メイドインフランス」観察局はこのほど、国産製品に関する統計値を発表した。これによると、国産品の部品に占める国内調達比率は2009年、製造業全体で69%となり、10年前の75%を下回った。分野別でばらつきは大きく、最も高いハイテク製品と造船・船舶修理は86%、モード・高級品も意外に高く80%に上った。逆に、この種の議論では批判が集中しやすい自動車では64%とむしろ低めで、10年間で上昇幅は3ポイントに留まった。最も低かったのは航空機・宇宙機の53%だった。このほか、国内消費に占める国産品の割合は62%となり、10年前と比べて4ポイント低下した。ここでは、自動車(14ポイント低下の43%)、造船(15ポイント低下の67%)、消費財(13ポイント低下の45%)で後退が特に目立った。なお、エストロジ産業担当相は同統計の発表の際、国産品の振興を図る目的で「メイドインフランス」ラベル認定制度を導入する考えを確認、現在政府部内で制度の詳細を詰めている段階であると説明した。同相は、工場や労働者、エンジニアやノウハウを守るために、一定の度合いで保護主義的な政策を採用するのは当然であるとも述べた。(KSM「日刊メディアダイジェスト」9月1日号より転載)